つがいの話し
先ずはベトナムあるあるです。
日本人がベトナムに来て驚く事は『やかましい』です。
『声の大きい人に悪い人は居ない』と言いますが、これが本当だとすると、殆どのベトナム人は『良い人』になります。
気分が乗らない時など、『ウルサーイ』と思う事があります。
よそ様の文化なので、思うだけです。
叫びませんよ。
当のベトナム人はこの雑音に慣れているのかと思いきや。。。そんな事もない様で、Skypeの授業の生徒さんで奈良県在住の介護士さんが居るのですが、彼女は『煩いのでベトナムには帰りたくない』と言っていました。
段々と外出規制が緩和されてきたハノイですが、まだ学校が再開されていないので、丸2ヶ月以上アパートにこもって生活をしています。
ガーさんと私の様子は『つがい』と言う表現がピッタリです。
『つがい』と言う言葉は雄と雌のペアですね。
特定の動物に限りません。
でも、何となく鳩を連想してしまうのは私のだけでしょうか。
木の枝に仲良く隣り合っている鳩が頭に浮かびます。
この『つがい』ですが、色々な条件がありますね。
先ず最低限仲良くなくてはいけません。
どちらかが支配権を持っているのでは無く、平等である必要もあります。
お互いを尊重し、尊敬する必要もあります。
ガーさんが技能実習を終え、ベトナムに帰国したのが2019年の12月ですから、同居生活も2年になります。
私は50年以上日本で暮らし、ガーさんは35年以上ベトナムで生活をしてきました。
そんな2人がここハノイで生活を共にしているのですから、冷静に考えると面白いものです。
ホーチミンにいた頃、何人のベトナム人女性達と食事や買い物、デートをしたでしょうか。
ただ、結果的に落ち着いたのがガーさんで大正解でした。
当時、パン屋でパン作りの勉強しながら、夜はバーで働いていた19歳の娘さん。
食事や映画は勿論、ダナン〜ホイアンの旅行にも行きました。
美味しいフォーを作って貰った事もあります。
誕生日には手作りケーキも貰いました。
仮にも家事上手だとしても、『つがい』は想像できません。
彼女以外にも、カンボジアの女性に熱を上げた事もあるし、日本語は勿論、英語もまったくダメ!と言うベトナム人女性と付き合った事もあります。
今、思い出したのですが、ハノイ生まれの女性とも短い期間ですが付き合いましたね。
彼女はなかなかのやり手で、ブテイックやマッサージ店などを経営していました。
当時、彼女は36歳ぐらいだったでしょうか。
英語でコミュニケーションが取れたし、パワフルな女性でした。
ベトナム人しか知らない様なレストランやカフェに連れて行って貰ったり、一緒に過ごした日々は楽しかったのですが、彼女にしてもやはり『つがい』は想像できません。
2ヶ月以上、べったり一緒にいるので、ガーさんウオッチングの毎日です。
1番感心してしまうのは、家事の手際の良さ。
それに集中力です。
現在、私のアルバイトだけしか収入が無いので、ガーさんも、日本製のサプリや下着、化粧品などを売っています。
形態で言うと転売ですね。
この転売ですが、ベトナム人の間ではとてもポピュラーです。
同僚の先生達も学校が休みなので、野菜や香水。。。ありとあらゆる物を売りまくっています。
でも、ガーさんほど売っている先生はいないでしょうね。
朝から晩までスマホで情報収集して、目ぼしい商品が見つかれば、売り手と交渉をします。
商品が届いたら、一旦、梱包を解き念入りにチェックします。
問題が無かったら、再梱包するのですが、この一連の様子がとても面白いのです。
表現するのが難しいのですが、彼女の作業は茶道や華道の稽古をしているようです。
一心不乱に手を動かしています。
梱包など、とても丁寧なのです。
きっと実習先の九州の農家でも良い仕事をしていたのでしょう。
見ていて、笑ってしまう事もあります。
集中力があり過ぎて、逆に部屋がとっても散らかってしまうのです。
今、私は筋トレの為、ベンチを座りガーさんウオッチングをしているのですが、現在のガーさんを中心として半径1.5メートルの状況です。
・脱水が終わった洗濯物が洗面器に山積み(早く干したら?)
・リンゴとナイフが皿の上に乗っている(食べたいので、はやく剥いて欲しい)
・フルグラの口が開いている(食べたら閉めれば・・・)
上記の何かをしている途中だったのでしょうが、スマホでメッセージが届き、現在はすべてを忘れ、口を一文字に結び、テキストを打っています。
さらに、面白いのが、ずーっと同じ姿勢なのです。
俗に言ううんこ座り、ヤンキー座りの格好です。
後10センチ腰を落とし、床にぺちゃんと座ってしまった方が遥かに楽だと思うのですが、この女性は延々と「この姿勢」でスマホと格闘しています。
実はこの姿勢、ベトナム人女性は大好きです。
私は足首が固くなっているので、そもそも、この姿勢で座るのはとてもシンドいです。
ガーさんは30分でも1時間でもこの格好ですからね。
体幹なのか?姿勢を保持する筋肉なのかは?分かりませんが、鍛錬です。
「つがい」と言う感覚についてダラダラと書いてしまいましたが、実は、「つがい」と聞いて真っ先に思い浮かぶのは・・・