井戸の水が枯れたら、蛙はどうなるのか?そしてどうすれば良いのか?in ホーチミン
“井の中の蛙大海を知らず”を使って、最近の身の回りの事を書きたいのですが、四字熟語と言われて、冗談抜きに“焼肉定食”が思い浮かぶ私です。
諺の解釈など、間違いがあったら、お許しください。
何と言っても、“ガイコクに住んでいる、変なニッポン人です”
ココ最近、日本で世話になった方々に“最近、如何ですか〜?”と挨拶をしてみました。
予想通り、“絶好調”と言う返信は一つもありませんでした。
日本で世話になっていた時に、どんなに大変な状況にあっても、対外的にはパワー全開!と言う社長さんまで、意気消沈状態です。
敢えて、書くまでもなく、超少子高齢化が急激に進んでいます。
人口が減り続け、年寄りが増える。
この状況の中で、好況を保つと言う方が逆に、不自然な様な気さえしてしまいます。
バブルの時代、私は商業写真の世界にいましたが、本当に良い時代でした。
撮影の現場でも、クライアント、AD、デザイナー、モデル、カメラマン、ヘアメイクまで、全員、生き生きと仕事を楽しんでいました。
クライアントの業績は良いし、スタッフだってギャラは高いし、暫く先まで仕事のスケジュールは埋まっているのです。
何と言っても、先行きの見通しが立っていると言う事が、前向きに生きる原動力になります。
勤め人になった頃も、まだまだ、良い時代でした。
印刷営業をやっていた頃もありますが、私のメインクライアントはヤクルトでした。
ヤクルト商事と言う子会社が新橋にあったのですが、時間が空いたり、売上が欲しい時は、ふらっと立ち寄るのです。
何と言っても、基本的に“世界のヤクルト!”です。
本社の売上は絶対的に安定しているので、子会社も、“余裕ムード”です。
私の担当はエリア別の課長さんが3人。
三石課長〜〜(実名)と訪ねると、打ち合わせスペースに案内され、珈琲が出てきます。
その後は暫し歓談です。
この会社の課長さんは暇なんです。(当時はね)
延々と世間話をして、印刷の仕事ありませんかね〜とお願いをすると、“諸川さんの頼みじゃ〜仕方がないな〜”と言って、印刷の仕事を用意してくれます。
良い時代でしたね。
頂いていたお仕事はチラシでしたが、金額一覧表があるので、見積もりなんて不要です。
同業が営業に来て、ウチより遥かに安い金額を提示しても、“決まった印刷屋があるから”で追っ払ってくれました。
時代は移り、現在、ホーチミンなのですが、1日に2時間程度、ECサイトで販売されている商品の価格を調べ、メルカリやラクマで仕入れ候補を見つけると言う、地味なアルバイトをしています。
インターネットのお陰?で、北海道から沖縄まで、“物の価格”が一緒ですね。
“この手”の転売をする方たち用に、一気に価格を調べる物騒なツールまであります。
ちょっと前まで、何処に行っても、“物の値段”が一緒なんてありませんでした。
物を仕入れて販売する(小規模)と言う業態は既に、難しいですね。
資本に物を言わせて、大量に仕入れ、巨大な倉庫で保管、流通システムを持っている大手しか生き残る事は出来ません。
ヤクルト商事の三石課長は既に定年を迎え退社してしまいましたが、今だったら、“諸川さん”○○印刷が、安い見積もり持ってきたよ〜となります。
先日、メールを送信した方の中には、特化したサービスを持っており、順風満帆だった社長さんもいるのですが、時代の流れと共に、右肩が下がり続けているとの事です。
蛙は、狭いながらも井戸の中で、悠然と泳いでいましたが、あれっ!と思い、水面から下を見ると、底面が見えています。
昔は底なし?と思っていた井戸が枯れつつあります。
知らない間に、水が減り急激に水位が下がったのです。
上の方からぶら下がっている綱があるので、頑張って登れば、地上に出られるかもしれません。
何もしなければ、井戸水と一緒に自分も干からびてしまいます。
昨日、私のブログにコメントくれた日本人と会ってきました。
大手企業に勤めていますが、仲間と起業して、海外展開を模索しています。
“綱”を登り地上までたどり着いた日本人です。
せっかくベトナムと言う地上まで出てきた方です。
2年ほど早く地上に出てきた私としては、出来る範囲でサポートをしてあげたいと思っています。
今晩も、お二方と会う約束があるのです。
この方たちは日本の伝統技能を持っている、職人さんです。
これは、海外では色々な展開が考えられますね。
どんな、お話が出来るのか?今から楽しみなのです。