写真熱が出てきました。音楽でも写真でも人の心を動かす物は素晴らしい。
明け方の4時半、スーツケースのファスナーを半分開け、片手を突っ込んでいます。
何をしているか?と言うと、RICOHの「GR」を探しているのです。
最新機種の「GRⅢ」だと嬉しいのですが、残念ながら初期型です。
もう何年も前に購入したものです。
当時は嬉しくて、一生懸命カスタマイズをしました。
皮のケースは、webで調べて、確か高円寺かどこかの工房まで買いに行きました。
フード部分もプラスティックむき出しは美しくないので、専用の皮を買ってきて貼り付けました。
先端についている、小さなフードはライカ用に作られた削り出しです。
これはスグレモノで、フィルターが挟めるようになっています。
極めつけはVoigtlanderの外付けファインダーです。
お金も無いのに、アクセサリーにボディーの何倍もお金を掛けてしまったおバカです。
そのままだったら、ポケットにすっぽり入るのに、余計な物を付けてしまったので、邪魔にもなります。
でも、嬉しくて、嬉しくて、何処に行くにも首からぶら下げていました。
と言ったって、俗言う「バカチョン」ですよ。
でも、革製のケースに入り、Voigtlanderが付いていると知らない人は「LEICA」ですか?なんと聞いてきます。
どうして、明け方にモゾモゾとカメラを取り出したか?と言うと、最近、写真熱が出始めているのです。
YouTubeを見ていると、Master何とかと言うアメリカの教育講座がのコマーシャルが流れるのです。
著名な料理人や建築家などが専門分野の講義を行うのですが、写真家代表として、アニー・リーボヴィッツが登場します。
アメリカ人の女性カメラマンですね。
著名人のポートレートなどを幾つか見たことがある程度です。
ただ、YouTubeの広告の中で紹介されている、モノクロの写真がとても素晴らしいのです。
柔らかいトーン、品の良いコントラスト、フレーミング。。。
あ〜素敵な写真って素晴らしいな〜と改めて感じました。
撮影の様子も少し紹介されまが、カメラアシスタントは露出計を構え、その他にもヘアメイクやレフ板も持っている人もいます。
大勢のスタッフの力を借りて、露出は勿論、陰影などを計算して作り込まれた作品です。
私が10年間お世話になった商業写真の世界も同様です。
ADがクライアントにOKを貰ったラフに対して忠実に「絵」を作ります。
物撮り(商品撮影)なんて、職人技ですよ。
今の様にとりあえず、写ってさえいれば、後加工でどうにでもなると言う時代ではありません。
被写体により、撮影のセットを組み、ライティングを調整して撮影をします。
一方、フランスには、アンリ・カルティエ=ブレッソンがいます。
後にロバート・キャパなどと一緒に「マグナム・フォト」を立ち上げます。
アンリ・カルティエ=ブレッソンと言えば、「決定的瞬間」が有名です。
多少、カメラが好きな人だったら、理解出来ると思うのですが、当時はレンジファインダーカメラです。
私もLEICAのMPを持っていた事がありますが、とても、「決定的瞬間」を撮れるような写真機ではありません。
私のオンボロ「EOS7D」の方が100倍早くシャッターを切ることが出来ます。
アンリ・カルティエ=ブレッソンは、1/125でシャッターを切っていたと記してあります。
ある方のサイトには、アンリ・カルティエ=ブレッソンについて以下の撮影ポイントが書かれていました。
1. 幾何学的な構図を見つけること
2. 待つこと
3. 旅すること
4. レンズはひとつだけにすること
5. 子供の写真を撮ること
6. 控えめな態度でいること 7
. 画家の目で世界を見ること
8. トリミングしないこと
9. 撮影後の処理にこだわらないこと
10. さらに良いものに向かって努力すること
この様な写真が撮れたら、爽快でしょうね。
数ヶ月前にNIKONのズーム付きのコンデジを買ったのですが、全然使えません。
撮りたい時にシャッターが下りないのです。
これなら、はるか昔に買ったGRの方が快適です。
手ブレ補正機能ははありませんが、リアルな雰囲気を伝える手ブレは作風の一部です。
▼この写真ですが、デジタル一眼で撮ったら、一切ブレのない、カチッとした写真になってしまいます。
さて、スーツケースから久しぶりに日の目を見た「初代GR」ですが、電源を入れても、「ジージー」音を立てるばかりです。
とりあえず、充電して再び寝ることにします。
朝、再度電池をいれた所、無地作動しました。
来週から、ガーさんの故郷クワンビンを訪ねますが、手ブレなど気にせずに、「初代GR」で撮ろうと思います。