ベトナムにおける「間」や「境界」「距離」について思うこと
日本とベトナムのどちらが一般的なのか?正しいのか?と聞かれればそれは分かりません。
「その国の文化」と言う事になるのでしょう。
例えば、女性スタッフからPC操作について質問をされ、私のモニターを見ながら説明するとします。
二人でモニターを覗き込む絵柄になるのですが、「近い・・・」
私の顔の真横で説明を聞いています。
その距離約20センチ♥
これは恋人同士がいちゃつく距離なのです。←昭和40年生まれのおじさんとしては
この「近距離戦」のおかげで「もしかしたら、私に気があるんじゃないか?」「もしかしたらスキンヘッドマニア?」と何回、勘違いした事でしょうか。
これ以外にも、「間」や「人との境界」に関して、違和感を感じる事が多々あります。
ガーさんのきれい好き(ある種、潔癖に近い)はBlogでも度々触れていますが、玄関の外で脱ぐサンダルはとてもベトナム的です。
小学生の男の子が夏休み、学校のプールで泳ぎ、アイス食べたさにすっ飛んで家に帰ってきた様な脱ぎ方です。
要するに裏返しだったり、バラバラの状態です。
玄関の外は共有スペースなので、日本人だったら、部屋の中に入れると思います。
廊下を通る人が邪魔ですからね。
でも、ベトナム人は廊下に荷物や下駄箱など大量に物を置きます。
「共有」=「個人的に使ってもOK」なのでしょうね。
私のアパートには吹き抜けがあるのですが、針金が張られ、洗濯物を干すスペースになっています。
狭いながらも各部屋のベランダには干すスペースはあるのです。でも風通しの良い吹き抜けに干すのでしょうね。
吹き抜けには「ど〜ん」とカラフルな女性ものの下着が干してあります。
※上半身用も下半身用も・・・
最初は面食らいました。
日本で気にする人は部屋干しをするでしょう。
外に干すとしても他の洗濯物の陰に干しますね。
でも、ベトナムでは「これが私の穿いているパンツじゃ〜!」とばかりに堂々と干してあります。
下着は極極「私的な衣類」です。
川俣軍司は例外です。
その「私的な衣類」を共有スペースに干すと言うのは、「私」と「あなた」の境界が限りなく低いのですね。
個人的に「私的な衣類♥」を見るのは目の保養になるので歓迎です。
ローカルレストランの水飲み用コップもカルチャーショックでしたね。
水を飲むためのコップが使いまわしなのです。
家の中だったら、まだ理解出来ます。
(私は嫌だけど)
でも、レストランに来る客は様々です。
二十歳前後のベトナム美人♥限定のレストランだったら気にしないかもしれない。
小さい頃、「女子」が使ったコップで飲んだりすると「あ〜間接キッス〜」とからかわれました。
ローカルレストランの多くはエアコンも入口のドアもありません。
水のサーバーが入口近くにあると、道行くおっさんが、水を飲んでいく事さえあります。
水を飲み終わっても、洗わずに裏返すだけです。
知らないおっさんと間接キッスしまくりです。
これは、3密どころではありません。
・・・にも関わらず、ベトナム国内でコロナウイルスがほぼ収束状態なのは、初期の行動規制が厳しく適切だったからです。
まだありますよ。
「音」です。
これは上記の2つと異なり、目には見えません。でも、この国では限りなく他者との境界が低い(無い)のです。
私も音楽大好きです。NO MUSIC NO LIFEです。
休みの日に、丁寧に珈琲を淹れて、大きな音で音楽を聞くことが楽しみです。
一定の音量以上で聞く時は窓を閉め、ガーさんに「大きな音で音楽聞いてもいい?」と確認します。
でも、この国ではコンサート会場で使っている?様な、どデカいスピーカーを使い窓全開で音楽を聞きます。
80年代のポップスやジャズだったら、大丈夫なのですが、打ち込み系やベトナム演歌だったりすると参ります。
その時はAC/DCで対抗をします。
道で酒を飲みながら、カラオケをしているおっさんも良く見かけます。
日本人の私が見ると、喉に自信があるので、通行人に披露したいんだろ〜な〜と思うのですが、恐らく違います。
おっさんは家の中も道も同じ扱いの空間なのです。
家の中が暑かったので、椅子とテービルとビールを持って外に出てきただけです。
誰が聞いているのかなんて、関係ありません。
「公」と「私」の区別が無いということは、周りに気を遣わないということにも繋がります。
私が見ている限り、ベトナム人はドアを開けて入室後、後ろ手にドアを閉める人がほとんどです。
私だけでは無いと思いますが、日本人だったら、私の後に人が続いていないか?確認してからドアを締めます。
また、惰性で「バタン」と閉めません。
大きな音を立てると、「うるさい!」って叱られましたからね。
ドアノブを掴み、静かにドアを締めます。
細かい様ですが、学校で日本語だけでなく日本の文化も教えているので、こう言った事がとても気になるのです。
ちなみに、私は自分の陣地にズカズカと入って来られるのがとても苦手なので、この国の「間」「距離」にまだ馴染めません。