「あり」か「なし」かのThe Beatles
授業中、実習生にたくさん質問をするのですが、それらは事前に用意してあります。
片手にiPad miniを持ち、表示された質問を次々と実習生に投げていきます。
その中で、「どんな音楽を聞くか?」があります。
音楽好きの私として、ベトナムの若者がどんな音楽を聞くのか?非常に興味があるところです。
回答例は「ジャズ」「クラシック」「ロック」「ポップス」「にほんの音楽」「ベトナムの音楽」など多彩です。
学校で日本語を教える様になって間もない頃、「ジャズ」と言う回答を聞き、「なんだよ〜ベトナムにもジャズ好きがいるじゃん!」と喜んだものです。
・・・実際は違いました。上記の音楽ジャンルは回答例として教科書に書かれているもので、「そのジャンル」の音楽を知っているのではないのです。
気になって一度だけ質問をしたことがあります。
黒板に「BEATLES」と書きます。
誰か知っている人?
そのクラスは15人程度でしたが、一人だけ手が挙がりました。
200人全員に質問をしたら、どれくらい知っているのでしょうかね?
日本ではどうでしょう?
19〜30歳位の男女に対して同じ質問をして何%位の人がBEATLESを知っているのでしょうかね?
先日、「YESTERDAY」という映画を見ました。
※実は二度目です。
売れないミュージシャン「ジャック」が主人公です。
ある晩、地球規模で12秒だけ停電になります。
世界中が真っ暗になります。
ジャックはその時、バスに轢かれて入院する羽目になります。
退院の御祝いにMARTINのアコースティックギターを貰い、ジャックはお礼に「YESTERDAY」を歌います。
友人たちは「素晴らしい曲」に驚き、いつ書いたのか?尋ねます。
ジャックは当たり前の様に、BEATLESの曲でジョンとポールが書いた事を話しますが、みんなの反応は??です。
友達の悪い冗談かと思いつつも、自宅のPCでBEATLESを検索します。
検索結果で表示されるのは“カブトムシ”です。
この世からBEATLESが消え去っていました。
地球上でジャックだけがBEATLESを知っています。
ジャックは「自分の曲」としてBEATLESの曲を歌い始めます。
曲や歌詞を必死に思い出そうとしているシーンが楽しいです。
エリナー・リグビーの歌詞なんて難しいですね。
知らなきゃ知らないで済むのかもしれませんが、中2の時、バレー部の菊ちゃんに「赤盤」を借りて以来のファンとして、BEATLESの曲が存在しない世界は考えにくいです。
いやいや、「俺はストーンズ派」だとか、いやいや、「ディランでしょう!」色々な人がいると思いますが、BEATLESは別格だと思っています。
このブログを書きながらも、BEATLESの曲をランダム再生していますが、どのアルバムのどの曲も本当に素晴らしい作品です。
無理強いすることではありませんが、この国の若者たちにもBEATLESを聞いてもらいたいのです。