岸辺のアルバムが現実になってしまう。
1977年の作品なので、55歳の私がまだ12歳の頃です。
『岸辺のアルバム』が放映されたのは。
ジャニスイアンの透き通った歌声をバックに氾濫した多摩川に家が流されて行く映像は今でも鮮明に思い出すことが出来ます。
最近は当たり前の様に災害の映像を見ていますが、当時は本当にショッキングな出来事でした。
さて、現在ベトナム中部では記録的な大雨に見舞われ悲惨な状況になっています。
日本のニュースでも流れているのだろうか?
菅総理も丁度ベトナムに来ています。
ガーさんの故郷であるクワンビンも雨が続いていたのですが、とうとう被災してしまいました。
不謹慎ながらテレビで見る災害現場はいわば対岸の火事です。
ただ、今回は極近しい人に発生した災害です。
一昨日は、家の中に水が入ってきた状態だったのですが、今朝、ガーさんから、足を痛めたお父さんだけ家の中に留まり、お姉さんとガーさんの長女は屋根の上に避難したと聞きました。
お母さんや小さな子どもたちは避難済み。
そして今日、学校で受信したメッセージは、『水が屋根まで達して家を捨てて逃げた』でした。
思い出してみてもガーさんの実家がある一帯は見渡す限り真っ平らの平地が何処までも続いています。
この雨は明後日まで降り続く様です。
水が引くまでに果たしてどれくらいの日数が掛かるのか?想像も出来ません。
恐らくは何も持ち出すことが出来なかったでしょう。
下手をしたら今着ている服だけかもしれません。
電化製品は全滅です。家具は掃除をすれば使えるのだろか?
周辺の家は2、3階建てなので、上の階に持ち上げれば濡らさずに済みますが、ガーさんの家だけは古くて平屋なのです。
ガーさんが生まれ育った家ですから、思い出深い物が沢山あったと思いますが、全て流されてしまいました。
この文章を書きながら、つくづく、私は身軽な事に気が付きます。
失って悲しい物は何一つありません。
無くなると不自由になるのは、MacBook Proだけです。
究極の断捨離生活です。
ガーさん大丈夫かなーと学校から帰ると目を真っ赤に腫らして出てきました。
この女性は身内に限らず、周りに不幸や悲しいことがあると我が身に起こったかの様に感じる人なのです。
家族が全てを失ってしまった悲しみは、超身軽なおじさんには想像することも出来ません。
今はショック状態に陥っている様なので、詳しいことを聞くことも遠慮しています。
少しでも元気が出たら状況を把握して、力になってあげなければなりません。
地球規模の異常気象を考えれば、安全な場所に引っ越すべきでしょうね。
家を補修した所で毎年同じ事の繰り返しでしょう。
五体満足で珈琲が美味いだ、肩が痛いなどと言っていられる事自体、とても幸せなのです。