そしてガーさんの「子」になる。
「そしてガーさんの子になる」
何だか是枝監督の映画タイトルの様です。
登場するのは、福山雅治さんやリリー・フランキーさんあたりでしょうか。
今考えると若気の至り・・・。
あっ・・・当時既に53歳でしたから、これっぽっちも若くありません。
ホーチミンに住んでいた時、19歳の女性とお付き合いしていました。
年の差はなんと「34」ですから、どう考えても「着地」はありませんでしたね。
彼女以外にも、本当にたくさんのベトナム人女性達とデートをしました。
果たしてデートと言って良いのか?分かりませんが、とりあえずは楽しい一時でした。
そして最終的に圧倒的な存在のガーさんに着地します。
彼女と生活を始めてあっという間に10ヶ月が経ちましたが、ピンポイントの着地だったと思います。
子供の時から団体行動は苦手だし、1人で過ごす事が多く、好きでした。
なので、四六時中視界の中に「誰か」がいる状況を想像出来ませんでした。
ガーさんとの生活にも不安があったのですが、大丈夫です。
今ではすっかり慣れました。
この女性は本当に面倒見が良いのです。
私にだけではありません。
周りに人全員に対してです。
今、住んでいるアパートには、たくさん赤ちゃんがいます。
どこかに出かけたかと思うと、時々、赤ちゃんを抱いて戻って来ることがあります。
お母さんが部屋を掃除している、髪を洗っている間、預かるそうです。
私は赤ちゃん大歓迎なのでとても嬉しいです。
抱っこしてつるつるのほっぺを、なでなでしているだけで幸せホルモンが出ます。
少し前の事ですが、下のフロアあたりで赤ちゃんの鳴き声がしました。
「オギャー」では無くて「ギャ〜」です。
咄嗟に裸足で飛び出すガーさん!
2人の娘を育てた彼女には危険な泣き声だと分かったのでしょう。
アパートには何人も友達がいます。
ある部屋の赤ちゃんが病気になったと聞けば一緒に病院に行ってあげ、アパートに戻ってから、赤ちゃんとお母さんの食事を用意してあげたりします。
「母なる大地」とか「MOTHER’S EARTH」なんて言葉がありますが、ガーさんの存在は「母」そのものです。
ベトナムの「喧しさ」「騒音」は私の中では既に諦めています。
午前0時近くになっても、酒を飲み大声で話しているアパート住人がいます。
私は「またか〜」と思う程度なのですが、ガーさんは真正面から文句を言いに行きます。
相手は酔っ払いですから、何かあったらどうしよう・・・とも考えるのですが、あなたの声の方が迷惑じゃない?と言いたくなる大声です。
鬼の形相も、もれなくついていますからね。
ガーさんの怒りの声のあと、辺りは「シーン」と静まります。
一昨日の夜、ガーさんは大量の食料品、毛布などを持って被災した田舎に帰っていきました。
持ち前のパワーでせっせと家中の掃除をしている事でしょう。
少々恥ずかしいのですが、ガーさんに足を絡めてオッパイの間に顔を埋めて深呼吸すると、なんとも言えない安心感に浸ることが出来るのです。