冬の蚊 in HANOI
「プ〜ン」・・・「プ〜ン」
ハッとしてベッドから飛び出し、部屋の電気を点けバチバチラケットを手に敵を探します。
“敵”と言うのは“蚊”です。
ホーチミンからハノイに越してきて、もうすぐ3年になりますから、私の勘違いでは無いと思います。
ハノイで蚊やハエが一番多く出現するのは、今の季節、冬なのです。
毎晩、2〜3回はこの憎っくき敵に起こされてしまいます。
歳をとると夜中に覚醒してしまう事があると聞きますが、その通りです。
一度目が覚めてしまうと、なかなか寝付く事が出来なくなります。
バチバチラケットを手にキョロキョロしても、肝心の蚊が見当たりません。
身の危険を察知して咄嗟に隠れてしまうのでしょうか?
ガーさんに『蚊が見つからない』と話すと、眠そうな目をこすり、『あそこ』
『どこ?』
ガーさんにバチバチラケットを手渡すと一瞬で『バチバチ』と音を立てて火花が散ります。
56歳になり動体視力ってヤツが衰えているのでしょうかね?
この『バチバチラケット』ですが正式名称は知りません。
少し小ぶりなバドミントンかテニスのラケットの様なのですが、ガット部分がスチールになっており、グリップ部分のスイッチを押すと、電流が流れ蚊やハエなどを一瞬で黒焦げにする事が出来ます。
これは日本にもあるのだろう?
私は生まれて初めて、ホーチミンで見ました。
最初、害虫を殺す器具だと分からずに、『あー、ベトナムではバドミントンが流行っているんだなー』と勘違いしていました。
部屋の中で1匹捕まえる程度なら、『バチバチ』で済むのですが、蚊な小蝿が大量に飛び回っている所で振り回すと、猛烈に『バチバチバチバチ』と音を立てて気持ちが良いくらいです。
何ボルトか分かりませんが、即◯ですね。
ベトナム在住の方なら分かると思うのですが、此処には日本の様な黒々とした、腹のデカイ蚊が殆ど居ません。
羽音も弱々しく、痩せっぽっちです。
因みに、ハエは動きがとてもトロイです。
私は抵抗がありますが、実習生は手で捕まえたり、手ですつぶすツワモノ?もいます。
暑い盛りになると、蚊もハエも見かけなくなります。
暑すぎて飛び回る事さえ出来なくなるのでしょうかね?
今晩も枕元にバチバチラケットをスタンバイして眠るのです!