親子が別々に暮らすという事。そして高齢者の仲間入り
ガーさんの実家での楽しいひと時も終わりが来ました。
昨晩ガーさんと2人で、実家のクワンビンからハノイまで、夜行バスで移動しました。
これは、再び親子が離れ離れになるという事なのです。
午後7時半のバスに乗る前に家族全員で最後の夕飯です。
バス停まで来ると、別れが悲しくなるから?なのか、5歳のヌちゃんは、親戚の家に遊びに出かけていました。
お兄さんと、ガーさんの親友がバス停まで来てくれました。
ガーさんの親友ですが、クワンビン大学心理学科の博士だそうです。
こんな事からもガーさんの人柄などがよく分かります。
車内が必要以上にピッカピカ光るこんなにバスでハノイまで行きます。
ベトナムのバスは異常に寒いのです。
暑い国なので、「思いっきり冷房を効かすことがサービスの一つ」と聞いたことがあります。
ホーチミン〜カンボジア間のバスに比べるとまだ、マシなのですが、それでも寒い!
時間が経つにつれて、身体の芯から冷えていくのがわかります。この状態で8時間は御老体に応えるのです。
途中、午前2時過ぎに突然バスが泊まり、夜食タイムの様です。
この時間だと言うのに、路肩にあるPHOのレストランは大盛況です。
食事をする気にはなりませんが、トイレにだけは行っておこうと、身体を起こし、バスの狭い通路を歩き始めた時です。
「ピキッ!」
久しぶりに味わうことの嫌な感触。。。
「ぎっくり腰」です。
完全に腰が抜けてしまう寸前で身体を支える事が出来たので、最悪の事態は避ける事が出来ました。
ヤバイヤバイ。。。とヒヤヒヤしながら、そして、格好悪いので周りのベトナム人にバレない様に、恐る恐るバスのステップを降り、レストランでトイレの場所を聞くと、「バスの中にある」との事です。
「あ〜。。余計な事をしてしまった」
これからの数日間で、「日本男児」として張り切る状況が来るかもしれないと言うのに。。。
バスの中のトイレで用を足し、「そーっと」シートに寝転びます。
同乗している、ベトナム人を見ると、この厳寒の中、半袖で気持ちよさそうに寝ているではありませんか。
この国では既に高齢者の仲間入りをしているのですね。
結局、ハノイに着いたのが、午前4時です。
ガーさんの巨大なスーツケースをヒョイと持ってあげるつもりが、逆に私のバッグを持って貰う始末です。。。
「情けない。。。」
ここから、グラブタクシーを呼び、ホテルに移動します。
☆付きとは言わずとも、ハノイの観光ホテルを想像していたのですが、バックパッカー用の質素なホテルでした。
一泊2000円なので、助かるのですが、窓も無いなんとも息苦しい部屋なのです。
本当に寝るだけのホテルなのでしょうね。
この後シャワーを浴びて、とりあえず凍った身体を解凍する必要があるのです。
その後、爆睡して、気がついたのが午前10時です。
さ〜て、何か食べに行こうか。。と話していた所にガーさんの5歳の娘、ヌちゃんからテレビ電話(この言い方で合ってる?)が掛かってきます。
お母さんが居なくなって、悲しくなってしまったのでしょう。
ガーさんもなだめている様子です。
電話を切った後、ガーさんがシクシクと泣き出してしまいました。
子供の前では涙を見せない強いおっかさんなのです。
これから、10ヶ月間親子別々に暮らさなくてはいけないのです。
これがどれほど悲しい事なのか?頭の悪い私でも理解出来ます。
2月25日から勤務が始まるベトナム人実習生送り出し機関では、担当する生徒を一生涯面倒見てあげたいのですが、ガーさん親子も幸せにしてあげなくてはいけません。
53歳と言えば、一般的には段々とスピードを落とす年齢なのかもしれませんが、私の場合はこれから第二の人生本番なのです。