ベトナム人に日本語を教えるオシゴト
昨晩の午前3時過ぎ。
隣で寝ていたガーさんが突然ガバッと起き上がります。
私も気づいてはいました。
「どこかで子供が泣いています」
それも結構ハードに・・・
1フロア下の3階で赤ちゃんが産まれた事を聞いていたので、私はその赤ちゃんかと思っていました。
ガーさんが部屋から出て行きます。
お隣さんのドアを静かに叩きながら何かしら声を掛けています。
「そうか〜」泣き声は隣からだったんだ。
日本人の私からすると、「午前3時ですよ」余計なお世話なんじゃないの?と思ってしまいます。
ベトナムではフツーなのでしょうか、すんなりドアが開き、ガーさんは何の躊躇もなく部屋の中に・・・
まず、赤ちゃんの泣き声がピタッと止まり、暫くすると「キャッキャッ」と言う嬉しそうな笑い声まで聞こえてきました。
さすが女の子二人を育てた「プロのお母ちゃん」です。
集合住宅で隣り合った部屋でも、日本では全くの他人です。
ベトナムではこのあたりの垣根が極端に低いのです。
さて、昨晩もSkypeの授業がありました。
授業は生徒が4人と生徒が1人の2タイプあります。
マンツーマンの授業では、他の生徒の目を気にせずに色々な話しをすることが出来ます。
昨日の生徒は秋田県で縫製の仕事をしている40歳の女性でした。
ベトナムに夫と男の子を残し、単身日本でお金を稼いでいます。
テーマが「理想の生活」だったので、色々と彼女の身の上も聞くことが出来ました。
ご主人は写真を撮る仕事をしているらしいのですが、コロナの影響で1年以上仕事の少ない状態が続いているとの事です。
子供は最近、勉強をしないでゲームばかりしているそうです。
ご主人の力にもなってあげたいでしょうし、子供にも「勉強しなさい」と話したいでしょう。
授業では
・一番大切な物はお金です。
・いつか宝くじが当たったら家を建てます。
・今、私の家がありません。土地も無いけど貯金が少しあります。
・1年ちょっと楽しく無いことばかりです。
など、聞かせて貰いました。
日本語はそこそこ話すことが出来るので、帰国しても何とか日本語に関する仕事に就ければよいな〜と思います。
人より多少でも高い給料を稼ぐのは、「それ」が一番良い方法です。
又、グループ授業で久しぶりに「ランさん」が参加してくれました。
彼女とは何回?何ヶ月?位一緒に勉強したでしょうか。
日本語能力試験2級を受験した彼女は、2月に「先生!合格したよ〜」と連絡をくれました。
私の授業がどれだけ役になったのか?分かりませんが、こうやって吉報を貰うと本当に嬉しいものです。
彼女から教えてもらいました。
私との授業は4ヶ月振りだそうです。
一度、全ての授業が終了、契約が終了した後、再度申し込んでくれました。
既にN-2に合格していますから、本来は「中級クラス」に参加すべきなのですが、今回も彼女が参加しているのは「初級クラス」です。
カリキュラム(テキスト)は常時同じものなので、彼女は2回転目になります。
どうして、又、初級クラスなのか?聞いたのですが、私と会話がしたいらしいのです。
こう言った生の声を聞いてしまうと、責任をひしひしと感じます。
学校では同じメンツの生徒と向かい合って授業をしますが、Skypeの授業では、新しい出会いが続きます。
言葉にすると「Skypeを使い、ベトナム人に日本語を教えるオシゴト」なのですが、これは本当に尊い仕事なのです。